2つの意味を持つウィッシュリスト
最近、【ウィッシュリスト】なる言葉をよく目にします。
どうも2種類の意味で乱れ飛んでいるようです。
引用【コトバンク】:ウィッシュリスト(英語表記:wish list)
《wishは願い事の意》
1. 希望事項。かなえたいと思っていることのリスト。
2. オンラインショッピングなどで、いずれ購入したいと思っている商品を記録しておく機能。アマゾンドットコムの「ほしい物リスト」など。
年末年始には、上記1.の「夢に近づくウィッシュリスト」として手帳やその書き方など、人生のヒントになるなる記事が目に止まっていたようです。
しかし、春・秋によく目につくのが上記2.のいわゆる「欲しいものリスト」の方。
それは、結婚にまつわるリスト「リスト・ド・マリアージュ」であったり
出産祝いにまつわる「ベビーレジストリ」でした。
今回は、2.の後者について説明をさせていただきます。
日本の結婚式では、招待客は新郎新婦に『ご祝儀』を贈るのが一般的ですが、欧米の結婚式では「リスト・ド・マリアージュ」(結婚版ウィッシュリスト)という仕組みがあります。
先のCOLUMNでも少し紹介しました。
『リスト・ド・マリアージュ(List de Mariage)』とは、フランス語で“結婚のためのリスト“を意味し、結婚式でご祝儀をいただく代わりに、新郎新婦が結婚祝いとして欲しいものをリストアップしたウィッシュリスト(Wish List)を公開。ゲストがその中から自分の予算に合ったものを選び、新郎新婦にプレゼントをするものです。
日本の結婚式ではご祝儀を贈るのが習慣ですが、ご祝儀を包む習慣がない欧米は、式当日に新郎新婦へプレゼントを贈ることが一般的なため、リスト・ド・マリアージュが活用されています。
日本ではあまり馴染みのない習慣ですが、海外ではご祝儀文化がないため、このようなお祝い方法が一般的です。
国によって呼び方が違います。
- フランス…リスト・ド・マリアージュ(List de Mariage)
- アメリカ…ウェディングレジストリ(Wedding Registry)
- イギリス…ウェディングリスト(Wedding List)
このように各国によって呼び方が違い、各国に幅広く取り入れられている風習です。
リスト・ド・マリアージュが選ばれる理由
理由1. 自分たちが欲しいものをプレゼントしてもらえる!
新生活を始めるにあたって自分たちが “今、欲しいもの・必要なもの“ をプレゼントしてもらえるのは合理的で、何よりもうれしいものです。
欲しいものはたくさんあるけれど、自分からプレゼントをリクエストするのはちょっとずうずうしい気もする…。
しかし、結婚祝いの品を贈る側は、二人にとって本当に必要なものを贈りたい。
「もう持っているのかな…」
「好みに合わなかったら…」
など、あれこれ悩むことなくプレゼントすることができるので、贈る側にとっても手間が省けます。
理由2. プレゼントが重ならず安心!
欲しいものをリストアップしたウィッシュリストを公開することで、贈る人同士が共有することができます。
誰かとプレゼントが重なったりすることなく用意できるので安心して贈り物を用意できます。
魅力3. ゲスト側も予算に合わせて選びやすい!
ご祝儀だとおおよその相場があり出費は覚悟して結婚式に出掛けることになります。
リスト・ド・マリアージュは、幅広い価格帯のアイテムを用意することができるので、贈る側が自分の予算に合わせて選びやすくなっています。
高価なものを数人で一緒に購入することもできるそうなので、友人や家族同士で出席する場合も嬉しい仕組みです。
このような背景があり、欧米ではインテリアやキッチンショップ、デパートが自分のお店で購入してもらおうとウィッシュリスト作りに協力しています。
新郎新婦はあらかじめウィッシュリストを店舗に渡して登録し、招待客に送る結婚式の招待状にそのショップを記載します。
招待客となる友人たちはそのショップに出向き、リストの中から贈りたいものや自分の予算に合わせてお店の方にプレゼント選びを手伝ってもらいます。
時代が変わってこのサービス、現在はウィッシュリスト作成機能のあるショッピングサイトが登場です。
新郎新婦はWEBサイトに登録し、結婚式の招待状にそのURLアドレスを記載。
招待客は記載されたネット上でプレゼントを購入し、支払いもWEB上で済ませて、証明書をプリントアウトして披露宴に持っていくという方法が広がっているようです。
贈る側もお店まで足を運ばなくて済むので便利です。
では、日本では?
披露宴・お祝儀文化が根強いのでなかなか浸透しづらかったようですが、このコロナ禍においていやがおうなくナシ婚やお祝いを郵送で済ます現実。お祝いをするタイミングを逃した人が少なくないようです。
そこに、「LINE GIFT」や「Amazon」の「欲しいものリスト」機能の認知向上がです。
私も貰らいましたが、お誕生日にスタバのLINE GIFT。若い世代はさり気なくスマートに思いやりの心を表していますね。
このように前述した1.の「ウィッシュリスト」と欲しいものリストの「ウィッシュリスト」の言葉と紛れて検索されるようになり、私を含めた人の目に留まるようになったのでしょう。
他人事で記憶を辿ると、映画の1シーンに紛れ込んでいたように思う「ウィッシュリスト」が再認識されています。
長くなりましたが、あとほんの少し付け加えると、日本では出産祝いにまつわる「ベビーレジストリ」が少しだけ広がりを見せています。
しかし、リストの作り方がかなり限定的に。
このコロナ禍でお祝いを持って行けないから「欲しいもの教えて」と、気軽に聞ける間がらから
それでは…と「Amazon」の「欲しいものリスト」を利用した記事を探しました。
そしたら、なんと!
「Amazonベビーレジストリ」なるものがありました!
普段からネットサービスに慣れている人たちの間では、この「欲しいものリスト」を共有化し、職場や仲間うちでシェアしお祝いを集めているようです。
仕事もリモートとなり会う機会が減ったからこそ、すでにあったのに急に使われるようになったようです。
ネット上でつながり”ありがとう”をやりとりする
この思いやりの仕組み。
これは、もしかしたら見返りを求めないクラウドファンディング?(笑)
あなたは、お祝儀に見返りを求めていますか?
あなたが求めているのは、祝う人の笑顔ですよね?
私は、一度お祝儀を郵送したことがあります。
結婚式の招待を受け当然のように出席するつもりだったのですが、土壇場で妊娠発覚と体調不良。楽しみにしていたので泣く泣く用意していたお祝儀をそのまま送り、引出物が後で送られてきたのを思い出しました。晴れ姿を見たかった!お祝いしたかった!ただそれだけ。余談ですが(汗)
祝う気持ちに見返りを求めいないのであれば、日本ならではの”仕組み化”ができるといいですね。